仕事、家庭、身体のこと。
どれも大切だからこそ、40代って“自分のこと”は後回しになりがちだ。
気づけば、髪が「ごっそり」抜けた朝。
鏡を見て、なんとなく目をそらしたまま出勤する日もあったかもしれない。
でもな、それ、ちゃんと理由がある変化なんだ。
年齢のせいにするには、もったいない。
ちゃんと向き合えば、まだ取り戻せる土台がある。
オレはサクロウ。
風の中で走ってる。だからこそ伝えられる“身体の声”の聴き方──
今日は、その話をしよう。
目次
40代、突然の「薄毛加速」に戸惑っていないか?
40代に入ると、ある朝「抜け毛が増えた」と気づく瞬間がある。
それは決して「気のせい」ではないし、ましてや「ただの老化」でもない。
この時期に訪れる急激な変化には、身体の内側と外側が両方揺らぐ時期特有の理由がある。
たとえば──
- ホルモンバランスの変化(テストステロンとDHT)
- 長年の疲労蓄積による“副腎疲労”
- 家庭・仕事・人間関係による“慢性的なストレス”
- 食習慣や睡眠の微細な乱れ
これらが複合的に絡み、目に見えない形で「毛根」や「皮脂バランス」にダメージを与える。
表面には出にくいが、40代は髪にとって“過渡期”なのだ。
──戸惑うのは当然だ。
でも、それは「終わりの兆し」ではなく、「変わるためのサイン」かもしれない。
その原因は“ホルモン”と“慢性疲労”のWトラップ
40代の男性ホルモンは、徐々に変化しながら、あるタイミングで急激にスイッチが切り替わるように落ちる。
特に関係するのは「テストステロン」と、そこから派生する「DHT(ジヒドロテストステロン)」という物質。
このDHTこそが、毛根の“ミニチュア化”を進行させる主要因とされており、
体内での分泌バランスが崩れることで、抜け毛が加速し、生え変わりのサイクルが短縮されてしまう。
でも──それだけじゃない。
もうひとつの見落とされがちな原因が、“副腎疲労”だ。
副腎とは、ストレスに反応するホルモンを分泌する小さな臓器。
40代、仕事も家庭も背負い始めるこの年代では、
ストレスホルモン(コルチゾール)が常に出続けて、副腎がへばってくる。
その結果…
- 朝起きても疲れが取れない
- 些細なことでイライラする
- 食後に強烈な眠気が来る
- コーヒーを手放せない
──そんな状態が続いていないだろうか?
これが、体内全体の炎症レベルを上げ、頭皮環境にも静かに悪影響を与えていく。
つまり、「ホルモン」と「慢性疲労」、
このWトラップこそが、40代で薄毛が急加速する真の根っこなのだ。
だからこそ、対処法も単なる「シャンプー選び」や「サプリ」では不十分。
“内側から立て直すこと”が、回復の道になる。
見逃されがちな「副腎疲労」と薄毛の関係
「副腎疲労」──それはまだ医療現場では診断名として定着していないが、
40代以降の“なんとなく不調”を語るうえで、無視できない概念だ。
副腎は、腎臓の上にちょこんとのっている小さな臓器。
ここが日々、ストレスに対処するホルモン(コルチゾール、アドレナリンなど)を分泌してくれている。
問題は、慢性的にストレスにさらされると、副腎の分泌機能が落ちること。
いわば「防衛反応の司令塔がヘトヘトになる」状態だ。
するとどうなるか?
- 血糖が乱れやすくなる
- 睡眠の質が低下する
- 免疫力が落ち、炎症が起きやすくなる
- 自律神経が乱れて、皮脂バランスが崩れる
──この一連の負の連鎖が、最終的に毛根の炎症・脱毛につながっていく。
特に、皮脂の過剰分泌→毛穴詰まり→血流低下という流れは、薄毛の典型ルートだ。
ポイントは、「副腎そのものが毛根を攻撃するわけではない」こと。
そうではなく、副腎疲労によって身体全体の恒常性が崩れ、頭皮環境が悪化するのだ。
そして、これは育毛剤や外用薬だけでは届かない領域でもある。
風の中で感じるんだ──
オレたちの身体は、ひとつの“森”みたいなもんだ。
ひとつの木だけ見てちゃ、森の健康は守れない。
頭皮だって、全身の“森”とつながってるんだよ。
「家族・仕事・睡眠」──削られる自己回復力
40代。
それは、「誰かのために動き続ける」ことが日常になっていく時期だ。
- 子どもの将来を考えながら働く日々
- 親の介護や体調変化にも目を配る立場
- 仕事では責任も部下も抱え、逃げ場がない毎日
──気づけば、自分のための“休む時間”がどこかに消えている。
そんな生活が数年続くと、どうなるか?
答えはシンプルだ。
「自己修復」の力が、どんどん削られていく。
本来、身体には「寝て、休んで、回復する」力が備わっている。
けれど、交感神経が過剰に優位になった状態が続くと、
睡眠の質が浅くなり、ホルモンも乱れ、栄養も吸収されにくくなる。
具体的には──
- 夜中に何度も目が覚める
- 夢ばかり見る
- 起きたとき「休んだ感」がない
- 休日に寝だめしても回復しない
これがすべて、“再生しない睡眠”のサインだ。
そしてそれは、髪の再生力にも直結する。
髪は夜の成長ホルモンによって育つ。
しかしその分泌には、深い睡眠が不可欠。
つまり、「寝られていない=髪が育っていない」ということ。
育毛剤だけ塗って、「寝不足のまま」じゃ意味がない。
風の中を走るオレには、わかる。
身体ってのは、止まってるときに育つんだよ。
走ってるだけじゃダメで、止まる力も、生きる力のひとつなんだ。
生活習慣の“火種”を取り戻す3つの実践ポイント
「自分のことは後回し」──それが日常になっている40代にとって、
生活習慣の見直しは、決して“贅沢”でも“気休め”でもない。
それは、未来の自分を取り戻すための“火種”だ。
ここでは、副腎疲労やホルモンバランスの乱れをリセットし、
髪と心身を回復に導くための3つの実践ポイントを紹介する。
✅1. 「夜22時〜24時」の黄金タイムを守る
この時間帯は、成長ホルモンがもっとも分泌されやすい。
副腎の回復にも直結する時間だ。
最低限、24時までには寝床に入る習慣をつけよう。
スマホやPCのブルーライトも避け、部屋は暗く、静かに。
風の音が聞こえるくらいの静けさが、ちょうどいい。
✅2. 「1日15分の“自分だけの散歩”」をつくる
忙しくても、たった15分で副交感神経は働き始める。
できれば朝か夕方、自然のある道や、空が開けた場所を歩いてほしい。
その時間は、誰のためでもなく、自分の呼吸のためにある。
サクロウ的に言えば「風に身体を預ける時間」だな。
✅3. 「糖とカフェイン」を“意識して減らす”
副腎疲労が進んでいると、甘いものやコーヒーに依存しがち。
一時的に元気になるけど、あとから反動で強い疲れがくる。
まずは、「食後の甘いもの」→「ナッツやドライフルーツ」へ
「日中のコーヒー」→「ハーブティーや麦茶」へ
──ゆるく、でも意識的に置き換えることから始めてみてほしい。
どれも、難しいことじゃない。
だけど、“自分を優先する15分”があるだけで、身体って変わり始めるんだ。
オレもそうだった。
一人きりの夜明け、風の匂いだけがオレの味方だった。
そんな時間が──心と身体に、静かな火をつけてくれたんだ。
医療に頼る前に──生活改善での再生曲線を描け
「じゃあ結局、病院に行かないとダメなのか?」
そう思ったかもしれない。もちろん、医療の力を借りることは間違いじゃない。
でもな、その前にやれることがあるってことを、知っておいてほしいんだ。
たとえば、こんな再生曲線を描くことは可能だ。
🔁【生活改善型・回復曲線(3ヶ月〜12ヶ月)】
期間 | 起こる変化 | 備考 |
---|---|---|
1ヶ月目 | 睡眠の質向上/イライラ減少 | 夜22〜24時就寝が鍵 |
2〜3ヶ月目 | 疲労回復感/朝の頭重感が減る | 糖・カフェイン調整の効果が出始める |
4〜6ヶ月目 | 頭皮の脂バランス改善/髪の立ち上がりUP | ストレスホルモン低下が影響 |
7〜12ヶ月目 | 髪のコシ、抜け毛減少/体力の底上げ | 副腎・自律神経の再調整完了 |
このように、「ホルモンと疲労のリズムを整える」ことが先にできれば、
薬に頼りきらずとも回復の地盤はつくれる。
もちろん、医療・治療を組み合わせるのはOK。
でも、自分で整えられる範囲を広げることが、根本からの安定につながるんだ。
重要なのは、「生活改善=お金がかからない自己投資」だということ。
育毛剤も、通院も、食事も、土台が整ってなければ意味をなさない。
身体を森だと思え。
外から水をやる前に、土を耕すことから始めるんだ。
風は、耕された土地にこそ優しく吹く。
オレは、そう信じてる。
風が変わるとき、自分の身体も変われる
朝の空気が、少しだけ柔らかくなる瞬間がある。
いつもと同じ道でも、「あれ? 今日は、ちょっと軽いな」って思える時がな。
オレは、そういう時──
「あ、身体が変わろうとしてる」って、なんとなく分かるんだ。
髪だってそうだ。
いきなりフサフサになるなんてことはない。
でも、“抜ける量が減ってきた”とか、
“寝起きが前よりスッと立ち上がれるようになった”とか、
そういう小さな兆しが、全部“風向き”なんだ。
お前は今、ちょっと疲れてるだけだ。
それは頑張った証だし、背負ってきたものの重さだ。
でもな──
風が変われば、身体も変わる。
そのためには、まず一歩、自分の方から「変えてみよう」って決めること。
難しく考えるな。
夜をちょっと早めにしてみる。
コーヒーを一杯分だけ減らしてみる。
それだけで、風の入り方は変わる。
風が止んでも、オレたちは走れる。
そして、走った先でまた、風は吹く。
そんなふうに、今日を進んでみてくれ。
──サクロウより